#472「年式」

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 私は誤解していました。正直、アメリカに着任する前に、イメージしていたアメリカのクルマというと、大きくて古くてオンボロな、サスペンションがへたったボコボコのイメージでした。そんなクルマが沢山走っているんじゃないかと思っていたのです。文字にするとひどい思い込みですが...。

20160119-1.jpg 20160119-2.jpg  ところが実際は、そんな70年代、80年代の遺物はあまり走っていませんでした。たまーに、写真のようなのを見ることはあるのですが、ワシントンの市内では稀なことです。

 実際には15年もの、20年ものがけっこう走っているのですが、見た目自体はそんなにくたびれていません。塗装の技術も向上したということでしょう。年式が古くなって、現行型から比べると3代前、4代前の型式になったクルマでも、なんら違和感なく走って居ます。メカの信頼性も向上しているのでしょう。そうして見ると、「クルマの年式ってどれぐらい意味があるんでしょう?」と、静かに主張しているような気もします。

 先般日本に一時帰国したときに、東京の町を行くクルマの新しさに驚きました。どのクルマもピカピカと言っていいぐらいの新しさ。もちろん年式自体が最近のものなのでしょう。街行くクルマの「平均年齢」は間違い無く若く、1台のクルマの「平均寿命」は見るからに短い。

 ホントはお気に入りのクルマを長いこと乗るのが良いとは分かっていながら、新しいのが出ると気になってしまうのはクルマ好きの宿命です。

2016年8月

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近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

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このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2016年1月19日 13:17に書いたブログ記事です。

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