乗りもの好きとしては、「予想通りの場所」にあること以上に、「予想しない場所」で乗りものに遭遇するのは嬉しいことであります。きょう紹介するのも、まったく意表を突かれたところにあったので、つい写真を撮ってしまいました。

　「両替所」です。場所はサンフランシスコの空港内。大勢の搭乗客が行き交うターミナルの中であります。出張の折、飛行機を待つあいだにサテライトを物色していたら行き当たりました。軽自動車のバンのようなサイズに、ちゃんと４輪が付いているという、乗りもの感満載の両替所。

　でもこれ、自走するんでしょうか。どこから来て、どこかに行くのでしょうか。近づいて見てみると、ハンドルや運転に関わる装置が付いているようには見えませんでした。「これ、走るんですか」と聞いてみたい欲求にかられましたが、中で仕事をしている女性の忙しそうな様子をみて、断念。いっそ両替してついでに確かめようかという気持ちにさせられましたが、そもそも両替する意味のある現金を持っていないのです。

　意表をつくものだけに謎が残ってもやもやしています...。

　乗りものの歴史にも当然、栄枯盛衰があります。鉄路の上を席巻していた蒸気機関車が、過去の遺物として消えていったのがその一例。道路の上でも、同じように主役の入れ替わりはあるわけです。

　きょうの写真は、そんな「消えゆく乗りもの」のひとつです。ニューヨークに旅行したことの有る方は見たことがあるかと思います。セントラルパークの入り口に多数見かける「馬車」ですね。乗りものの世界では、一般的に「消えゆくもの」になっても、最後は「観光」「保存」の域に入ることがよくあります。最初に述べた蒸気機関車も、この馬車も、そうですね。

　この日の気温はマイナス10℃。耳がちぎれそうに寒い日でしたが、馬は文句も言わずにパカパカと蹄を鳴らして、観光客を乗せてぐるりと回っていました。

　で、戻って来たところがこのシーンです。こんなに寒いのに、冷たい水をゴクゴクと補給するお馬さん。水分補給もさることながら、運動によるエネルギーの「燃焼」→「冷却」を感じさせるものでもあります。エンジンやボイラーが、動力を生み出す時と同じだなあと、寒風の中感じたのでありました。

　この馬、きょうもパカパカと元気に歩いているのかな。

　いま暮らしているアパートメントのすぐ前には、大通りがあるのですが、そこを上から眺めていると、一つのことに気づきます。行き交う車の「サンルーフ装着率」が高いんです。試しに、さっきも数えてみました。

　ランダムに、右から左に走っていく車のうち、トラックや商用車を除いて10台数えてみます。一般的な乗用車のうち、だいたい半数がサンルーフを装着しています。何回やっても同様の結果です。日本では考えられない高さ。

　 　　

　うちから写真を撮るのが一目瞭然なんですが、うまく写真に収められず。道路を跨ぐ橋の上から車を眺めてみましたが、同じようなものです。アメリカでは何ゆえこんなに装着率が高いのか。家の窓は一般的に小さく、一般的に室内は薄暗いのに、いざ車に乗るとなぜそんなに太陽を欲するのか。誰か教えて頂きたいです。

自動車メーカーのサイトを見ると、中級以上の車には最初から着いている例も多いんですね。そして明るい色のインテリアと相まって、非常に室内がパッと華やぐ。黒やダークグレーのインテリアばかりが多い日本車も、こればかりは見習って欲しいところです。せめて選べるようになればいいんですけどねえ。

　１週間飛んでしまいました。失礼いたしました。大雪についてさらに続けます。気象というのは、相手を選びません。それがどこかの国の王様だろうと大統領だろうと、外にいる限りは同じように扱うわけです。人間のなせることはごく限られていますね。

　きょうの写真は除雪用のショベルカーですが、この白い門、ホワイトハウスの門のひとつです。ちょっとわかりにくいですが、運転席のガラス越しに、白い建物が透けて見えます。あれが、ホワイトハウスです。

　世界の超大国のリーダーとして、地球上の隅々までコミットしているアメリカ大統領ですが、一歩建物から出れば、市民の住宅と同様に、そこに雪は積もっているわけですね。ま、実際には雪を踏みしめて出勤することもないでしょうし、遅延しているバスや地下鉄に悩まされるわけでも無いですが。

　この除雪車のポイントはグリーンの色使いでしょうか。どうせなら、もうちょっと濃い色にして大統領専用ヘリコプターとコーディネートするという手もあろうかと思います。担当者に一考を願いたいところです。