#377「硬質」
できるだけラクに移動したい...これは人類共通の願いです。交通機関の進歩は、スピードの追求と並行するかたちで快適性の追求によるところも大きいものです。
たとえば最初期の飛行機は、木製のフレームの上に体をむき出しにしたまま乗るものでした。それがいまや、我が家に居るより快適なんじゃないかと思うぐらいの、柔らかで快適なベッドに早変わりするシートも。乗ったこと無いですけど。
そこで今回考えたいのが、こちらです。
地下鉄の座席、です。窓に沿って並ぶ長いす状のこのシート。写真でもお分かりのようにステンレスそのもの、です。見るからに硬いし、座っても硬い。決して快適とは言い難いものがあります。加減速の際にはお尻が横方向に滑りそうな気もしますし。
短時間の乗車ならこんな感じで良いのかもしれませんし、万一の列車火災が発生したときには、こういう材質のほうが安全なのでしょう。でも、やっぱり快適性の追求、というテーマを失って欲しくないんです。乗りもの好きとしては。