2011年5月アーカイブ
そして京都シリーズはなお続行中。前回「只今移動中」のバス停の謎をご紹介しました。その謎は今なお解けていません。しかし、同じ京都で、私は見つけました。謎を残さないスッキリしたバス停を。
その場所は八坂神社の前。どうです。「移設しました」のすがすがしいカバーであります。ちゃんと横には利用者へむけて移設先の案内が書かれていました。よかった・・・。これこそまさに、あらまほしきバス停の移動。この街の住人ではない、このバス停を利用してきたわけでもない私も、納得感を得てこの場を離れることができました。
やっぱりバス停の移設は「移動します」の未来形か、「移動しました」の完了形でなければスッキリしませんよねえ。それにつけても、前回の「只今移動中」はいまどうなっているのでしょうか。
さらに京都シリーズは続きます。市内をバスで移動していたときのこと。車窓をぼんやりと眺めていると、それは突然視界に飛び込んできました。
目を引く黄色いカバーで覆われた何か。よく目を凝らすと、一本足のそれは、バス停のようです。ちなみに私の視力は2.0。大体のものはよく見えるんです。そのカバーに記された文字に驚きました。「只今移動中」。
これは・・・文字通りに解釈してみましょう。この場所にもともとあったバス停は、ただいま「移動中」だそうです。ただいま、ですよ。いままさに、バス停を担いで別の場所に持っていっている最中、ということになります。
でも実物はここにあるので、「概念としてのバス停」を移動しているんでしょう。現在進行形となると、このバス停を使おうとする人はどうすればいいんでしょう。 そしてこのバス停に止まるはずのバスは・・・?
ああ深まる謎。いま乗っているバスを降りて、「只今移動中」のカバーを見に行けば、その答えは書いてある気がしますが。急ぎの移動でしたので涙を呑んで謎を置き去りにしてきました。無念。
前回に続いて京都シリーズ。黒塗りのハイヤーの後ろ見てください。白い乗用車が収まる建物も、その奥の建物も、細い格子がすーっと並ぶ風情がいかにも京都であります。
で、その前に停止する黒いハイヤーはというと、誇らしげなマークがフロントグリルと運転席ドアに鎮座しています。「寿」。どうやら結婚式に向かう新郎新婦が乗る車なのでしょう。
全国のタクシー・ハイヤー会社のサイトを試しに見てください。多くの会社が花嫁さん用の特別車両を持っています。そのうち、少なからざる数が、車体に手を入れた特別仕様のもの。結い上げた髪の高さを考慮して、後席の屋根を高くかさ上げしたり、左後席の屋根を、乗降時に跳ね上げられるようにしたり。
この写真の車、右側からしか見られませんでしたので、どうなっているのか残念ながら確認できませんでした。特別度合いがどんな按配か、報告できず残念であります。
2か月間お休みしていた当コラム。久々の再開です。まず東日本大震災で亡くなられた大勢の方々にお悔やみ申し上げます。また被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
コラム読者の方から「首を長くして更新を待っている」とのメールを頂きました。ありがたいことです。今回はこちらの写真です。
...京都ではお馴染み、三つ葉のマークのタクシー。でもよく見ると、これは。
葉っぱが1枚多い、四つ葉のクローバーなんですね。京都には定期的に訪れている私ですが、四つ葉を見たのは2回だけ。写真に撮ることができたのはそのうちの1回きりです。ネットで調べると、この会社が走らせる、1400台のうち、4台だけが四つ葉だとか。このレアな四つ葉を見かけると「幸運が訪れる」「願いがかなう」とも言われています。京都では今、この車を見かけた多くの人が、静かに被災地の復興を願っているのでしょう。