#316「老兵」
いわゆる「新潟色」と呼ばれるカラーリングの電車、115系です。国鉄時代からかれこれ30年間、この地域を走ってきました。私が小学校に上がる前は、昭和20年代のものかという旧いタイプの電車がはしっていましたが、この115系1000番台が新製されて新潟にデビューしたときには、「ピカピカ!」という印象をうけたものです。旧型電車はまさに旧型で、とくに雪で足の濡れた冬場に乗り込むと、車内全体が溶けた水でくすんで湿っぽい感じがしたからなおさらのことでした。
あれから30年。新潟の115系も相当な老朽化が進んでいます。何しろこの間には全国各地から「お古の115系」が集結、さまざまな改造が施された混成部隊となっていました。改造に伴う微少な差違にマニア心をくすぐられるファンも居るようですが、私などはたまに帰省してこれに乗ると、「ずいぶんくたびれたこと」と思うわけです。
電車も人の世と同じく、いずれ引退が控えています。そろそろこの新潟の115系も御用納め、が近付いている気がします。