#306「混雑感」

|
表参道の掲示

 表参道駅で見かけた掲示です。半蔵門線・田園都市線。一編成にこれまで2両だった6ドア車両を、3両に増やすというお知らせで、この春から順次変更が進んでいるようです。

 私も大学に入って上京するまで実感を伴わなかったのですが、東京の朝のラッシュは尋常ならざるものがあります。1両あたりのドアは通常片側に4つですが、山手線など一部の電車には「片側6つ」のドアをつけた車両が導入されました。長さ20mちょっとの車両に6つのドアですから、横から見ると「ドアだらけ」の感じがします。

 その車両、最も混雑する時間帯に、イスが全て強制的に折り畳まれます。そうなると「ただの箱」。まあどっちみち座れない時間帯だからと割り切れば良いのですが、もしかすると座れるかもしれないという「可能性」、も排除されてしまう悲しさ。

 この車両は座席が無いぶん、若干「立ち客の密度」が小さいのでしょう。そのへん駅での掲示はじつに正直です。写真をよく読んでください。「混雑感の軽減」と表現しています。編成全体で乗る人員に変わりはないでしょうから、あくまで「混雑の軽減」ではないと。私が社会人生活を続ける限り、東京の電車はどこも、「混雑感の軽減」程度で推移するのでしょうな。侘びしくも空しい限りです。


2016年8月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

プロフィール

近野さんポートレート
近野 宏明
(こんの ひろあき)

現在、ワシントン特派員。鉄道、自動車、航空機などの乗りもの・交通全般に詳しい。

more

このブログ記事について

このページは、近野 宏明(こんの ひろあき)が2009年10月20日 13:29に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「#305「海芝浦 2」」です。

次のブログ記事は「#307「つけ替え」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。