#306「混雑感」
表参道駅で見かけた掲示です。半蔵門線・田園都市線。一編成にこれまで2両だった6ドア車両を、3両に増やすというお知らせで、この春から順次変更が進んでいるようです。
私も大学に入って上京するまで実感を伴わなかったのですが、東京の朝のラッシュは尋常ならざるものがあります。1両あたりのドアは通常片側に4つですが、山手線など一部の電車には「片側6つ」のドアをつけた車両が導入されました。長さ20mちょっとの車両に6つのドアですから、横から見ると「ドアだらけ」の感じがします。
その車両、最も混雑する時間帯に、イスが全て強制的に折り畳まれます。そうなると「ただの箱」。まあどっちみち座れない時間帯だからと割り切れば良いのですが、もしかすると座れるかもしれないという「可能性」、も排除されてしまう悲しさ。
この車両は座席が無いぶん、若干「立ち客の密度」が小さいのでしょう。そのへん駅での掲示はじつに正直です。写真をよく読んでください。「混雑感の軽減」と表現しています。編成全体で乗る人員に変わりはないでしょうから、あくまで「混雑の軽減」ではないと。私が社会人生活を続ける限り、東京の電車はどこも、「混雑感の軽減」程度で推移するのでしょうな。侘びしくも空しい限りです。