#275「開放 2」
前回の続き。東京・丸の内から出発するスカイバス。おとな1500円(こども700円)をチケット売り場で購入して乗り込みます。高さが3.8mというドイツ製の2階建てバスは赤いボディが印象的。2階に上がると大空と街並みの双方が楽しめます。ふつうの観光バスですと窓の天地寸法で切り取られた景色だけを見るわけですが、スカイバスは左の地面から空をはさんで右の地面まで、合計180度以上のアングルが楽しめます。
しかもわざわざ並木の近く、緑の茂った枝の下を走ったり、JRのガードの下をくぐったりするので、ちょっとしたジェットコースター気分も味わえます。外の空気と一体になって走る楽しさは、その街に溶けこんでいく気分を増幅させてくれるのです。実際、このバスに乗っていると何度も道行く人から手を振られました。外から見てもバスが「密室」ではなく、自分たちと同じ空間を共有していると感じるのでしょう。この点、とくに外国人観光客が抱くTOKYOの印象を好ましいものにしてくれそう。
定期観光バスのニューカマーは、乗る人と街行く人の心も「開放」してくれるのでした。