#242「ちょっと恐怖」
モノレールという乗り物は、下界を見下ろしながら空中をすいすいと走っていく点が、他にない魅力です。都市部に限る乗り物ゆえに、オフィスビルやマンションと同じような視点で縫うように走るのもその特徴。
この魅力が少々の「おっかない気分」に転化するのが「水上を走るとき」であります。本日の写真は沖縄・那覇市のモノレールです。那覇空港に向かって壺川駅を出ると、一本きりのレールは右に大きくカーブして川を渡ります。通常の鉄道の場合、凹の字の断面をもつ高架橋の上に線路を敷き、その上を走るわけですから、高いところでも車両はフェンスにつつまれている感じ。しかしモノレールは車体そのものがむき出し。ドア一枚隔ててすぐそこは「空中」なのであります。
これは高所恐怖症の方、泳げない方はドキドキするんでしょうねえ。けっこう車体も傾きますから、なおさら。私は幸いにして高いところも大歓迎ですし、泳ぎもまあ一人前にはできますので、ワクワクしているばかり。しかしこういう箇所でもできるだけ、もじもじと外を見ないようにしている方がたまにいます。一見のんびりした空中散歩にも、人知れず大冒険に挑戦している、のかもしれません。心中秘かに応援しております。