#165 「市電」
前回につづき。熊本の市電についての考察です。車両のバラエティが豊富だと先回申し上げましたが、今回の写真はそんなショット。
右が従来の車両、左奥に見えるのが新しい車両です。熊本県警の「ゆっぴー」というキャラクターが車体にあしらわれた「ゆっぴー号」。これは日本で初めての「超低床路面電車」なんですね。10年前に登場したこの車両は、優れたデザイン・技術などを盛り込んだ車両に贈られる「ローレル賞」を受賞しました。
時間に余裕がなく短時間ではありましたが、試乗ができました。辛島町から熊本市交通局前までの往復です。なぜ交通局前までにしたのか。それには理由があるんです。以前読んだ本に、熊本市電では交通局前停留所で行われる運転士の交代時に、運転士は車内に一礼、車内の乗客も多くが一礼すると書いてありました。それを確認しようという趣向です。事実としたらちょっといい光景じゃないですか!果たしてその結果は…
交通局に到着する電車。私は下車して運転士が降りてくるのを待ちます。が。この電車は乗務員の交代無し!すぐ次にやってきた電車は…お!交代です交代です。下車する運転士がドア付近でちょっと一礼。乗り込む運転士もドアに入ると、ちょびっと頷きました。乗客のリアクションは…う、下車すると意外に窓が高いところにあり、見えません。無念です…。
帰路はたまたまやってきた「ゆっぴー号」。これは2両連結で、後部車両には女性の車掌さんがいました。滑るように街を駆け抜けるゆっぴー号。数分間の小さな旅ですが、じつに快適でした。