#118 「結節点」
日本テレビの資料室は、なかなか味な品揃えをすることで一部利用者には有名です。今回紹介する一冊もそんなラインナップから。
その名も『ジャンクション』という写真集です(著者:大山顕。発行:メディアファクトリー)。
団地マニアとしても知られる著者が、全国の高速道路のジャンクションを訪ね、その造形美や色彩、立地や音(騒音?)に至るまでを「鑑賞する」という、類のない本であります。「こんなケッタイな(←褒めてます)本、誰のために買うんだろ?」とは思いますが、そうです。まんまと私は借りてしまいました。最初の貸出し者だそうです。つまり、私のためと言っても過言ではありません。ありがとう。われらが資料室。
ということで、そのスゴイ写真集ですが。コメントが熱いんです。曰く、
「ジャンクション好きなら必ず訪れなければならない、ジャンクションの王様」(箱崎JCT)。
「東京における都心部ジャンクションの王様が箱崎ならば、大阪におけるそれはここ」「何度見てもどきどきする」(阿波座JCT)。
「知る人ぞ知る下町の名品」「まるで怪獣のよう」(堀切JCT)。
そして建設中のジャンクションには「訪れるたびにどんどん様変わりしていく姿を見ると、我が子の成長を見守る親の気持ちとはこういうものか、と思う」(有明東JCT)…って常人にはなかなかこの境地、たどり着けませんよね。私はそういう思い、よく分かりますが。
この本、後段にはジャンクション鑑賞の手引きもあり、懇切丁寧にその魅力と手法も紹介されています。道路や巨大建造物、都市環境などに興味のある方、ぜひご一読を。