#052 「慣れとは」
旅先や出張先でも無い限り、私たちは実に何気なく電車を利用しています。朝の通勤ラッシュ時など、きっと多くの人は半分以上「無意識」だと思います。無意識に改札を抜け、無意識にいつもの車両に乗り、無意識に乗り換え階段を上がり…と。
そんな「慣れ」に起因する無意識下に、いつもと違う状況が現れると、びっくりするものです。
写真は東京メトロ丸の内線・新高円寺でのショット。
弊社の先輩が撮ったものです。何の変哲もない写真に見えますが。
よーく見てみましょう。
列柱の向こうに走る車両の帯の色は…オレンジ色。丸の内線の「赤」ではありません。そう。銀座線の車両が走っているのです。
「試運転」と掲出されたこの電車。計器類とにらめっこする職員の姿も見えたそうです。そしてホームには「あれれ?」という表情の乗客が何人もいたそうで。これなどまさに「無意識からの覚醒」でしょうね。
タネを明かすと、銀座線と丸の内線には赤坂見附付近に双方を結ぶ連絡線路があるのです。丸の内線(中野富士見町駅付近・茗荷谷駅付近)にある工場で、銀座線の車両点検整備も行われるので、銀座線の車両が丸の内線にお邪魔するのです。決して車体の赤い帯が色あせたワケではありません。念のため。