#002 『 乗りもの好きへの道 』
齢34にして、なぜ私が乗りものコラムの欄を持つに至ったか。振り返ればそこには長い道程があったのです。
何と言っても生家のロケーションつまり「地」です。新潟県新津市(現・新潟市)の窓からは、JRの線路やそれを跨ぐ国道の陸橋がよく見えるのです。
そもそもこの新津市という地名、鉄道好きなら知っている方も多いはず。JR3線が交差するジャンクションの街なんです。鉄道車両の製造・修理工場や鉄道資料館まで揃っています。祖父は国鉄職員、父も鉄道関連の仕事に就いていました。あ、「地」と「血」のようですね。
自ずとまず鉄道に馴染み、寝床に届く通過音でどんな種類の何両編成の列車かを聞き分けられるほどに。同じ頃、両親から買ってもらった自動車のアルバム、ディーラーでもらうパンフレット、大量のミニカーを使ってすべての国産車のスペックを暗記。3歳の頃には、ドライブのさなJR3線が交差するジャンクションの街かにすれ違う車すべての名前をきちんと言い当てられたのです。まあ長いあいだ自動車や鉄道の本を眺めて飽きない(若干インドア気味な)こどもでした。
しかしそれが長じて、こんな仕事も出来るようになるのですから、趣味はどこでどう生かされるか、全くわからないものです。