5月2日。ゴールデンウィーク初日は、抜けるような青空が広がっていました。
絶好の撮影日和に、静岡県の大井川鐵道さんで行われたイベントが「新緑のSLカメラマン募集ツアー」です。
5月2日。ゴールデンウィーク初日は、抜けるような青空が広がっていました。
絶好の撮影日和に、静岡県の大井川鐵道さんで行われたイベントが「新緑のSLカメラマン募集ツアー」です。
このイベントは、大井川鐵道さんに通って30年になるベテランカメラマンさんと一緒に、オススメ撮影スポットを巡り、撮影テクニックを伝授してくださるという企画で、今回が初めての実施となります。
実は私、SLの撮影が大の苦手・・・
どうしても黒がベターッとなってしまい、上手く撮影できないんです。
苦手克服のため、気合を入れて参加してきました!
金谷駅に集合した参加者は、撮影ポイントとSL通過時間、SL撮影の際の心構え等を講師の先生からお聞きし、ヘルメットを渡されました。
そのヘルメットをかぶって向かう先は、普段は入ることの出来ない、機関区の中です。
電車や気動車の機関区にはお邪魔したことがありますが、SLは初めてで大興奮!
「なるほどなぁ」
と思ったのが、煙突の先に煤煙を吸う装置があった事。沢山のSLが集結する場所で、どの車両も煙をモクモクさせていたら大変ですものね(^-^;)
さあ、機関区の中で撮影開始!私は普段フィルムカメラを使用していますが、今回はアドバイスもいただけるのでデジカメも併用で撮っていきます。他の参加者のみなさんも真剣そのもの!やっぱりSLには人を惹きつける魅力がありますね。
夢中になっていたら、あっという間に機関区での撮影時間は終了。
金谷駅から電車に乗り込み、第一の撮影ポイントである、大井川第一橋梁へと向かいます。
大井川鐵道さんといえば、SLも有名ですが"走る鉄道博物館"とも呼ばれ、かつて花形列車として活躍していた関西私鉄の電車が、第二の人生を送っています。
金谷~川根温泉笹間渡間で乗車したのは、元近鉄の16000系です。車体色も内装も当時のまま。この車両に限らず、大井川鐵道さんで活躍する電車は全て、譲渡元の塗装で現在も頑張っています。
さあ、大井川第一橋梁に到着しました。
「ここはどんな撮り方でも絵になりますから、お好きな場所で撮ってみてください。SLは2回通りますから、1回目で思うように撮れなければ、2回目は違う場所から撮ってもいいですね」
と先生に言われ、それぞれカメラを持って移動。
ごつごつした石に気をつけながら、景色の綺麗な場所を求めてあっちへこっちへ。
気がつくと、ツアーの皆さんから遠く離れた場所に来ていました。
でも、私は自信を持っていたんです。
私と橋梁の間には、水辺で遊ぶ兄妹とそれを見守るお母さんの姿。
この季節ならではの素敵な1ショットが撮れそうで、ワクワクしながらSLがやってくるのを待っていました。
しかし・・・
「もうお昼だから移動するよー!」
お母さんの声に、はーいと元気よく返事をする兄妹。
ちょ、ちょっと待って!もうすぐSLが来るから、それまで待って!お願い!
心の中で叫ぶ私・・・
しかし、家族みんなお腹がすいていたのか、程なくして私のファインダーから離れてしまいました。
その瞬間
「あ!SL来たー!」
お兄ちゃんが叫び、黒煙を吐きながら列車がやってきました。
レンズをぎりぎりまで引いてみると、右端にギリギリ家族が入ることが分かり、一瞬、元のアングルと引いたアングルのどちらにするか悩みましたが、引いたアングルで撮影。
写真の出来は・・・ですが、上のやりとりもあり、思い出に残る写真となりました。
その後もSLや元南海電鉄ズームカーなどを撮影し、お次は田野口駅へ。
昭和6年に建てられた木造駅舎が特徴的な田野口駅は、映画のロケにも使用されるほど、柔らかな雰囲気が漂っています。
ロケ時のみ開けられる改札を特別に開放していただき、参加者全員でダッチング(日付印字)体験!
硬券だけでも珍しいのに、自分の手で印字して、記念に持ち帰ることができるのは嬉しいですね。
田野口駅では、名産の川根茶をいただきながら、のんびりとお弁当タイム。
私はホームでいただきました。
お昼ごはんの後は、田野口駅から下泉駅側に少し歩いたところにある中徳橋の上から撮影にトライ。
先生も一人一人と会話しながら『その人にとってのベストポジション』を探って、適切な指示をくださいます。
私は、川と列車を絡めたかったので、あえて後ろから撮影することにし、先生に
「その時に上手いこと煙が入ればいいね」
という言葉をいただきました。
結果としては、うまく煙を入れられず、SL牽引列車らしさは出すことができませんでした。煙って、なかなか思い通りに写ってくれなくて難しいですね(^-^;)
さあ、最後の撮影は田野口駅直前のロングストレート勝負!
全員が道に一列になってカメラを構えている様子は、行き交う車から見た人は驚いたことでしょう・・・
少し風が強かったのですが、ズームレンズを使って遠景をぼかして撮影することに決め、SLを待ちます。
通過の直前、突風が吹きましたが、ぐっと堪えてパシャリ!
何とか、ベタついた黒色にならず、リベットが分かるように撮影することが出来ました。
田野口駅に戻り、先生から、今回は時間の都合上案内できなかったという秘蔵スポットや、私達の撮影を一日見てきて感じたこと、大井川鐵道さんへの想い等をお話いただき、私達からの感謝の拍手で今回のツアーは幕を閉じました。
山・川・木・花・駅舎・そして列車・・・
何を撮っても絵になるのは、大井川鐵道さんならではの光景です。
皆さんもカメラを携えて、とっておきの一枚を撮ってみませんか?
大井川鐵道さんでは、今後もこのようなツアーを企画したいとのことです。
撮影を通じて新たな魅力を知ることができ、なおかつ写真の勉強にもなりますから、是非皆さんもご参加くださいね!