#360「開放」
なおも続く関西シリーズ。大阪の地下鉄・心斎橋駅です。この駅の何がいいかって、見ての通りのこの広々とした感じ。東京の地下鉄ではまず見ないスタイルの駅ですよね。
上り下りのホームがひとつの大きなドームのようなトンネルに一体化している造り。のみならず、ひとつ上のコンコースまで一体化しています。すばらしい開放感です。この写真はつまりホームの上のコンコース階から降りるときに撮ったのですが、ホームのはるか向こうが見渡せるだけでなく、電車の屋根上までばっちり目にすることができる。ぜんぜんシチュエーションは違うのですが、この階段を下りるときの感覚は、だだっ広いホテルのロビーに吹き抜けから下りてくる感じに近いものがあります。
一般的にトンネルは断面が大きいほど建設費がかさみますから、これだけ大きな空間を地下に設けることは非・合理的であるわけです。げんに、多くの地下鉄では上り線、下り線、そのあいだのホーム部分と、最小限の直径に収めたトンネルを少しずつ重ねて3本並べて掘る、というのが普通です。断面は・・・なんというか、ちょうど双眼鏡みたいなものですね。そんなちまちましたことをせず、どーんと図太い一本の恵方巻みたいに作っちゃう。繰り返しますがこの開放感、すばらしい。