#147「からくり」
何においても、ちょっとした「からくり」があると嬉しいというのが私の性分です。多くの男の子もそうでしょう。かつて男子小学生の机上には「3段式」「5段式」といったからくり満載の筆箱が置かれていたものです。オモテ・ウラ・ヨコ・消しゴム入れの引き出し、フタを開けると鉛筆削り…といった具合の、あれです。また男子小学生の必須アイテム「自転車」においても同様。変速ギアのレバーや、自動車顔負けのウィンカー、着脱式の自転車用ラジオ、などなど…。
ことほど左様に、かつてはからくり、アクションが多いのはいいこと、という時代があったのです。
「カチャッ」「ウィーン」「グルグル」などと何かアクションを加えるということが、男の子にはたまらない魅力なんでしょうね。その心地よさはしみついているのです。たとえその後の持ち物の趣味が「シンプルでプレーン」に移行していったとしても。
そこで今回。冒頭に掲載した1枚目の写真。写真で見るとタテヨコもパッと見ではわかりにくいのですが、列車の中の壁です。ここに「カチャッ」という一つのアクションを加えると…
あら不思議。トイレが出現するのですねえ…。すごいすごい。まあ実際の座り心地は普通の便座の右に出る物ではないにせよ、忍者屋敷のようなからくりの魅力がそれを凌駕しています。このからくりトイレ、実際に試したい方は寝台特急「北斗星」の個室にご乗車を。