駅の記憶

第18話 渋谷駅
駅の思い出

第18話 渋谷駅 駅の思い出

  • 佐藤里枝様 さいたま市岩槻区在住 昭和20年生まれ
  • 昭和20年生まれのわたしにとって、渋谷駅は東横デパートのある駅でした。
    雪谷(大田区)に住んでいた私の家から1番近いデパートでした。
    五島プラネタリュームもよくいきました。
    渋谷駅周辺は、お屋敷が続き、坂道も記憶にあります。
    昭和43年ごろ銀行の渋谷支店に勤めていましたが、勤務場所は東急ビルの中でした。
    今、埼玉から実家に帰る時、通過する渋谷駅は地下鉄の駅です。

第18話 渋谷駅 駅の思い出

  • 大澤(昭和24年生まれ)
  • 昭和30年前後だと思います。渋谷東急のロープウェイを見ました。幼かったので、乗ったかどうかの記憶よりも、すごい人ごみだったと思います。
    それが生まれて始めて見たロープウェイだったと思います。
    怖そうでした。

第18話 渋谷駅 駅の思い出

  • 長野 洋士
  • 昭和9年、北九州で生まれました。

    駅の思い出とは言い難いのですが、東京なんて知らない就学前の幼年期に、絵本で渋谷駅を知りました。今でも全文を覚えています。

    「市電、省線、玉川電車、帝都、東横、地下鉄と沢山の線路が集まった東京渋谷駅は、やがてこの絵のようにきれいになります。」(原文は全部カタカナでしたが)

    絵本に載るほどですから、当時は注目の話題だったのでしょう。子供心にスゴイ所だなと思いました。「未来都市」のイメージですね。

第18話 渋谷駅 駅の思い出

  • 伊藤雅一様 埼玉県ふじみ野市在住 昭和58年生まれ

    109、HMV、マルイ、ロフト...。渋谷駅のハチ公口を降り、センター街の方へ向かうと、購買意欲を誘うような店舗が所狭しと林立している。

    渋谷といえば日本でも屈指の流行発信スポットであり、終日人の賑わいが絶えることはない街という印象が強い。しかしそれは渋谷の一面であって、中心部を一歩離れれば違う渋谷の面影を垣間見ることができるのである。

    私の通う大学があるのは、センター街とは逆方向の、閑静な住宅街の中に佇んでいる。近くには氷川神社があり、桜花の色合いを見、木陰の涼しさを感じ、落ち 葉を踏む音を聞くことで四季の移ろいを私達に教えてくれる。やや遠回りになってしまうにも関わらず、わざと神社を通り抜けて通学するのは、そんな四季折々 の諸相を楽しみたいからだった。そんな神社を含む渋谷駅と大学を結ぶ道は、私が最もよく歩く渋谷である。

    私は大学で文学を学んでいるが、渋谷もまた文学と所縁の深い場所である。
    例えば国木田独歩は、渋谷がまだ渋谷村だった頃に住居を構え、名著『武蔵野』を生み出した。渋谷公会堂とNHK放送センターの間の道を下っていくと、ひっ そりと国木田独歩の住居跡の碑がたっている。また、白樺派の作家・志賀直哉は、常磐松小学校と金王八幡宮との間にあたる場所に住居を構えていたことも知ら れている。
    文学好きの学生が、志賀家の表札を持ち帰ってしまうという困ったエピソードも残っている。渋谷駅周辺は意外と、文学散歩に適した場所なのである。

    大学に通い始めて渋谷の歴史の奥深さを知るようになり、渋谷の新たな魅力を見つけることができた。耳を澄ませば、文豪の足音も聞こえてきそうな渋谷の小道。そこを私は毎日、大学へ通うために歩いている。

管理者コメント

私にとって、渋谷といえば、せわしなく歩く人々、往来が激しい車、どんどん増えては消えていく店々…常に「動」のイメージでした。しかし、「駅の証人」の濤川由雄様がおっしゃった「しっとりとした町」、そして、伊藤様が大好きな渋谷の季節の移り変わりを楽しむことのできる小道…そんなお話を伺って、渋谷の「静」の姿を発見させて頂きました。 佐藤様は「渋谷駅と聞いて思わず…」と、「駅の思い出」をお寄せくださいました。誰にでも、「思わず」話したくなってしまう思い出深い駅が、きっとあるのだなあ、と改めて嬉しく思いました。

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