第13話 高田駅
駅の証人に聴く
- 昭和39年の国体の時は、選手の皆さんが宿泊されました。
選手のお弁当を金谷山に運んだことを覚えています。麓まで車で行って、それからお袋といっしょにお弁当を背負って。
金谷山はスキー発祥の地で、当時、スキー客も増えてきましたので、乾燥室を作ることが旅館の条件になってきたんですね。
国体の時は、天皇陛下もお見えになりました。私たち小学生は国道18号に出て、小旗を振ってお迎えしました。新潟地震も同じ年です。震度4くらいでした
か。小学生でしたが、先生に言われて中庭に避難したことを覚えています。それまで地震らしい地震はありませんでしたからね。でも、旅館には地震の影響はあ
りませんでした。
宿泊されるお客様には、本町商店街へ出入りする商売人――問屋さん、あと知命堂病院や中央病院がありますから、製薬会社の人もいました。問屋さんとしては繊維関係。本町には繊維問屋さんが多かったですから。新潟からも、東京からもおいでになりましたね。
高田は総合庁舎などがありましたから、林務、土木など、お役人の出張が多かったです。当時は新潟からでも泊まりだったのです。自衛隊の偉い方がいらっしゃる時は、駅前から橋まで、ジープが並んだことも。うちにも泊まられましたよ。
新潟大学芸能科――昔の新潟師範ですね――がありましたので、受験生も泊まったり、各種スポーツ大会関係者も宿泊されました。
1月、2月はスキー、4月は花見、夏は海水浴。当時は海水浴が流行っていて、谷浜が賑わっていました。臨時列車が出るくらい人出がありましたね。直江津がいっぱいで泊まれないと、高田で泊まるというわけです。
駅の裏の今の駐車場のあたりは、当時貨物ヤードで日通さん関係で物流がありました。そうなると人も動きます。活気がありましたね。
いづも屋デパートはじめ商店街も賑わっていました。当時の高田の人たちの休日の過ごし方というと、いづも屋で買い物をして、「品川」という食堂でごはんを食べて、本町でぶらぶらしてというものでした。映画館も3館ありましたからね。
昔は雪が多かったですね。ここは駅前通ですから、除雪は一生懸命やっていましたが、それでも時々通行止めになりました。
雪で列車が止まると、炊き出しです。駅周辺の旅館は、旧国鉄と協定を結んでいまして、そういう時にはお宿を提供することになっていたんです。足止めを食っ
たお客さんには、広間に泊まっていただきました。雑魚寝でしたけど、お風呂に入っていただいたり。こういうことが数回ありました。除雪隊の人夫がお泊まり
になる場合もありましたね。
旅館は21部屋ありました。昭和39年春に改装し、宴会部屋を作って、部屋も一回りずつ大きく、広間も増やしました。
朝食の準備は6時くらいから。ごはんにみそ汁、卵焼き、納豆、のり、和風の献立です。当時は一泊二食付きが基本でした。お客様も街に飲みに出ることはあま
りなくて、接待で仲町に出るくらいでした。今は片泊まり、朝食のみ食べられてという方が多くなりましたが。部屋も六畳にお二人、八畳に三人。大きなお風呂
があり、宴会場や広間もありました。
5時半に起きて、玄関開けて掃除して、6時から朝食の用意です。7時からお召し上がりいただき、9時頃には終わります。当時はふとんを上げてあげてから、お部屋で朝食をご用意、部屋出しでしたから重労働でした。
それから、午前中いっぱいかけて掃除して、3時か4時くらいから夕食を仕込みます。ご到着のピークが6時から7時。
夕食を召し上がっていただき、その後、お風呂。その間におふとんをひきます。後かたづけを終えると9時。こんな一日でしたね。
お袋が切り盛りしていました。板前さんが2人、住み込みの人が3、4人。昼間は、近所の人たちが手伝いに来る。親父は
外回りです。旅館組合長や商工会議所議員をやっていましたから。お客様の前に出ることはめったにありませんでした。(旅館業を)とくに教わることはありま
せんでしたね。親の姿をみて学んだんです。
聴き手、まとめ:NPO「昭和の記憶」
皆様の投稿をお待ちしております
駅の記憶では、みなさまより駅にまつわるお話を随時募集しております。懐かしい思い出話、駅の以外な一面、心あたたまる話など、ありましたら駅の記憶までご投稿ください。
みなさまのご投稿をお待ちしております。
[投稿規程]
- 採用された原稿の著作権は、原稿を執筆・投稿された本人に帰属いたします。また、採用された原稿の使用権は当サイトに帰属することとします。
- 原稿の採否は,当サイトが決定いたします。公開する際には当サイトの判断で原稿の修正・加筆などをお願いする場合があります。当サイトで原稿に修正・加筆などを行う場合もありますのでご了承ください。
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 第13話 高田駅 駅の証人に聴く
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://blog.ekitan.com/kiokumnt/mt-tb.cgi/355